『キイナ-不可能犯罪捜査官-』第1話:記憶する心臓

『キイナ-不可能犯罪捜査官-』第1話:記憶する心臓

菅野美穂平岡裕太ら主演。不可思議な事件のみを担当する警視庁捜査一課特別班・通称「ベッパン」に所属する女性刑事“春瀬キイナ”が不可解な難事件を追う刑事ドラマ。本作で扱う事件は同局のバラエティ番組『特命リサーチ200X』や『ザ!世界仰天ニュース』で取り扱った事実がベースとなる。

『トリック3』以来久々に、テレビドラマを見たが、オープニングがそのまんま『トリック』だったので笑ってしまった。

まとまりのない演出、これが第一印象。それこそ『トリック』のようなケレン味調にしたいのか、コメディにしたいのか、本格ミステリィにしたいのか、感動モノにしたいのかよくわからない、ゴタゴタした演出で、路線が全然定まっていない(それを象徴するかのように、音楽もこれでもかっていうくらい様々なジャンルのものが無造作に作曲されているような感じだ)。いったいどこに注目すりゃいいのやら。

そんな中で菅野美穂演じる主人公キイナに関して、第1話の時点でいきなり掘り下げ過ぎだろう。ドラマ中盤の独白シーンなんてほとんど最終回くらいでも良いような内容だったし、キイナのキャラ設定の引き出しを全部引っ張り出したような感じで、この先描くことがあるのだろうかと心配になってしまう。同様に、不承不承に彼女の相棒となった山崎(平岡裕太)もいきなり打ち解け過ぎじゃあないか? ホームズとワトソン的な人間模様も、まだ現時点ではもっと緊張感があっても良いだろう。仲良くなるのはもうちょっと先でも遅くはない気がする。そもそも、キャラ描写のシーンと事件のそれとが乖離しているので、バラバラした印象の上に冗長で閑散な印象を上書きしてしまっている。

つうかね、カメラワークが本当に酷い思うんだ。ポジション固定のショットはまだしも、おおかたどのシーンでもぐらぐらグラグラ揺れまくっていたし、カメラの位置取りが明らかにおかしい箇所がちらほらある。ドランクドラゴン塚地武雅演じる科操研技官・工藤真一郎の登場シーンとか、アレは部屋に誰もいないときのカメラワークだ。そんなカメラワークだもんだから、カット同士のつながりもおかしくなってきて、編集も違和感が拭い切れていない。

まあ、ドラマなんて全然見てこなかった人間なので、ドラマの見方がわかっていないのかもしれないけれど、それともドラマってこういうものなのだろうか。そういえば、主人公の名前のキイナってやはり「奇異な」ってことなんだろうかしら。

公式HP『キイナ-不可能犯罪捜査官-』

http://www.ntv.co.jp/kiina