『ルーカスの初恋メモリー』

イリノイ州のハイスクールに通うルーカスは昆虫採集が趣味のチビの少年。頭はいいがスポーツはさっぱり。そんな彼が、ある日、年上の転校生の少女に恋をした。しかし、彼女はフットボール部のエースに魅かれている。そこで彼は意気奮闘、無謀ながらもフットボール部に入部するのだが……

健全……、否、健康的な、が第一印象。田舎でも都会でもない独特な、センチメンタル溢れる空間での、少年ルーカスの初恋をめぐる群像劇。今では愚直とも思えるようなカメラ･ワークやアイテム配置をして、そしてキャラクタの視線の交差でそれぞれの思惑を表現してしまう手腕が見事。セックスもドラッグもクライムも難病も、そんなものが無くても青春映画が成立することを久々に実感した。製作された80年代という時期からそう感じるのかもしれないが、現在では撮れなくなった映画のひとつかもしれない。主演のチャーリー・シーン、ウィノナ・ライダーの若く初々しい演技も見所のひとつである、ジュヴナイル映画の傑作。

詳細『ルーカスの初恋メモリー』
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=25083#1