『シークレット・ウインドウ』

湖畔に建つ別荘で新作小説を創作中のベストセラー作家モート・レイニー。だが彼は、妻エイミーとの離婚調停に身を削られて執筆活動も行き詰まり、スランプに陥っていた。そんなある日、モートのもとにジョン・シューターと名乗る正体不明の男が訪ねてくる。そしてシューターは唐突に、モートが自分の小説を盗作した、と言い放つのだった。最初は全く取り合わないモート。しかし、シューターが置いていった彼の原稿の内容は、モートの著書“秘密の窓”と瓜二つだった。以来、モートはシューターから執拗に付きまとわれ始めるのだが…

ジョニー・デップはやはり変人の演技が素晴らしい、と再確認したスティーヴン・キング原作のサスペンス・スリラ。デップ演じる人気作家モートの元に訪れるシューターの正体をどのように解決するのかと思ったら、やはりそう来るかという感じであったが、この映画でやはり面白いのは、キャラクタ同士の会話のやりとりだろう。冒頭、モートと家事お手伝いのオバさんとのそれを筆頭に、まあ会話の噛み合わないこと噛み合わないこと。キャッチボールにならないその暴投ぶり、その何とも言えない辛辣な空気感にヒヤヒヤした。それを小説家という言葉を生業とする主人公がやってしまうというそのギャップが、アイロニックなスパイスとして効いていた。


詳細『シークレット・ウインドウ
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=319768#1