金曜ロードショー『ルパン三世VS名探偵コナン』

どう組み合わせてくるかと思っていたら、予想に反してそんなにヴァーサスしていなかったな、というのが第一印象。もっとこう、追い追われる両者の攻防戦を期待していたけれども。

それはともかく、どちらかというと『名探偵コナン』の視聴者である比較的低年齢層をターゲットに絞った作りが一貫されていたところは好印象。ここまでベタベタなマンガギャグは久々に観させてもらった、もちろん良い意味で。字幕によるノリツッコミとか、ヴェスパニア王国公爵、ジラード・ムスカ・ヴェスパランドのミドル・ネームとかね。

ただ、もう少し作画のすり合わせがあってもよかったのではなかろうか。両作品のトーンを両者崩さず作画をしているので、画面内での違和感がどうしても気になってしまった。『コナン』側を崩すのは難しいだろうから、『ルパン』側のほうをもう少しデフォルメなどしてもよかったと思う(平山智ルパンもいい加減見飽きたし)。しかし、これもターゲットとしただろう年齢層の混乱を防ぐために敢えてキャラクタ・デザインだったのだろうけれど。

また、ゲスト・ヒロインの王女ミラと、そのSPキースのロマンスももう少し描いて欲しかった。それはそれとしても、あのチェイス・シーンのスピード感の無さはどうにかならなかったのか。ものすごく安全運転にしか見えず残念。これだけでももっと作りこんでくれたら、より一層おもしろくなったのではないだろうか。

まあ、全般的に楽しく観られた。企画モノとしてはまずまず成功では?


詳細『ルパン三世VS名探偵コナン
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=333363