『トランスフォーマー/リベンジ』

金属生命体トランスフォーマーの正義の集団オートボットと悪の集団ディセプティコンの激闘から2年。その渦中に巻き込まれたサムも大学生となり、親元を離れるばかりか恋人ミカエラともしばし離ればなれでキャンパス・ライフを始めることに。一方、米政府は金属生命体の極秘研究機関だったセクター7を解体、レノックスをはじめディセプティコンと戦った兵士たちを集め、オートボットと連係しながら世界に散らばるディセプティコンを掃討する精鋭部隊“NEST”が組織されていた。そんなある日、サムは、あらゆる金属物をトランスフォーマー化するパワーを持ち、トランスフォーマー同士の争いの元となった“キューブ”のかけらを発見する。この時サムの体にはキューブからある“情報”が刷り込まれ、以来たびたび脳裏に浮かぶ幻覚の中でトランスフォーマーと人類の浅からぬ因縁を知ってしまい、図らずも再びトランスフォーマーの戦いに身を投じていくこととなるのだが……


This is the SHIT! (コイツは最高!)

いや、厳密に言えばアクション・シーンと映画のテンションはとんでもなく最高にホットだ。冒頭の上海でのトランスフォーマーたちの激戦シーンから始まって、あれよあれよと繰り出されるアクション・シークェンスの映像は前作をはるかに凌ぐ出来。スピルバーグが絡むとココまでの映像が撮れるのか、と前作を観た際にも思ったが、今回もとんでもないSFX、VFXシーンがテンコ盛りである。

BANG! BOMB! この映画2時間30分の尺の中に、いったい何回の爆発シーンがあったろうか。つうか、その爆発シーンなんかをしょっ引いたら、この映画1時間にもならないんじゃねェか? と思わないでもないが、ともかく、次々に繰り出されるアクションと爆発、そして巨大トランスフォーマーたちの応酬にもうテンションは右肩上がりっぱなし!

そして前作以上に下世話なジョークの連投……BULL SHIT!(ふざけんな!)。なんだってまた出てくるジョークが全部下々のはなしばっかりなんだよ! たしかに楽しいは楽しいけれど、もうちょっとバリエーションを増やしてくれよ、方向性の。でないと、リアクションに困るだろうが!

まぁともかく、あれよあれよと飛びまくる炎と瓦礫と気のまったく効いていないジョークの連続技に高鳴る期待。それは、前作ではついにほとんど描かれなかったオプティマス・プライムとメガトロンのガチンコ・バトル──これをクライマックスに期待しない手はない。さぁドンパチやってるうちに2時間ちょい過ぎた。さあ! 来るぞ! やれ、存分に! …………来なかった。

SON OF A BITCH! この上がり切った右肩はどこへやりゃ良いんだ! 実はこの映画には、メガトロンとは他のボスキャラがいて、オプティマスはそいつを倒し、メガトロンは「次こそは……」なんていって退散してしまうのだ。また続編かよ! というか、実写版トランスフォーマーの一番の欠点はメガトロン等のディセプティコンたちの見分けが付きづらいことだと思うのだ。みんな同じような色をしているし、形もけっこう似ているのが──とくにヒト型のやつら──多いので、いまやられたのはどいつだろうと混乱してしまう。

総評/クライマックスはともかくとしても、おそらく現在最高峰の特撮技術を惜しむことなく投入したアクション・シーンはめちゃくちゃ楽しい。それを観るだけでも楽しいし、それもマイケル・ベイのあのふざけた感じで面白く見観られるという、今夏最高のポップコーン・ムービィだ、間違いなく。必見。


詳細『トランスフォーマー/リベンジ
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=333193