2011年に観た映画リスト+メモ その2

ベスト・キッド』リメイク……異文化交流──とくにヒロインの女の子とのそれの描かれ方に好感を持った。

『シルバラード』……ザ・定石! だからいいんだよ。

『13F』……“世界”のボーダーの描写は、もうちょっとなんかアイディアなかったのかな。

ニュー・シネマ・パラダイス』●……あのラストは反則です。め、目頭が思わず熱くなってしまったじゃないか!

ベスト・キッド』オリジナル……総合的にはオリジナル版のほうがよく出来ていると思う。師弟関係の機微の描き方とか。

ゲッタウェイ』……アクション演出が素晴らしい。マックィーンの相手役の女優さんが綺麗だった。

『レギオン』……中2病乙! まじでほんとまじで。

アレクサンドリア』●……様々な見方を許容する映画(例の超絶ロングショットはちょっと使い過ぎだけど)。ボンクラ男子のロマンス映画としても小生は楽しめると思う。

秋刀魚の味』……あの画面でけっこう淡々と下世話な話をしてるっていう感じがなんとも味わい深い。

ビアンカの大冒険〜ゴールデン・イーグルを救え』……劇中何度か登場する飛翔シーンだけでご飯3杯いけます。

      • 60


『海底2万マイル』……当時としての映像技術はすごかったが、時代的な体感リズムが若干そぐわなかった(まぁ、しかたがない)。

キング・コング』オリジナル……1933年でもここまでのことが出来るのか! と、非常に驚嘆しつつ楽しめた。今日日の下手な怪獣映画より数段迫力がある。

『追憶』●……ケイティ(バーバラ・ストライサンド)とハベル・ガードナー(ロバート・レッドフォード)が、互いに理解し合えないことを理解したうえで、離れ離れになるという展開が好印象。

『キックアス』……ストーリィの語り口のテンポの良さとかアクションシーンの鋭さとかはたしかに良いんだけど、後半になるにつれ主人公が、彼とその「内輪だけ」の世界にむしろ退行してしまったのが非常に残念。エンディングなどはむしろ本末転倒だと感じた。

『ぼくのエリ-200歳の少女』……素晴らしい作品だった。台詞に極力頼ることなしに、カメラワークと編集によって少年とヴァンパイアの少女(仮)との交流、そして心の機微を描き、きちんと物語を語りきっている。静かな雰囲気に時折挟み込まれるゴアシーンの見せ方もその緩急の付け方もずば抜けている。

プリンセスと魔法のキス』……いろいろ粗もあるが、ディズニー・ルネッサンスの再来を感じさせる一作。とくにホタルのレイにまつわる顛末には──物語的カタルシスと同時に、「アニメーションとは何かという問い」にひとつの回答を見せつけた点において──男泣き必至!

眺めのいい部屋』●……全体的な細かい演出にこだわりがあった。しかし、眺めのいい部屋は譲っておあげよ。

『香港大夜総会 タッチ&マギー』……岸谷五郎と香取慎吾の掛け合いは楽しいが、後半になるにつれ映画としての造りがドンドンずさんになっていて、はキッり言って怒りを覚えた。

SUPER 8』●……全体的に「散漫」という言葉が一番似合うだろう。展開もカメラワークもはっきりいって連続テレビドラマのそれで、正直映画を観た感じがしなかった。冒頭の列車事故シーンと、主人公がヒロイン(エル・ファニング)の思わぬ才能にハッとしてドギマギするという一連のシーンが良かっただけに非常に残念。

チャイナシンドローム』……3.11以降に観ると、この映画の様々な描写の的確さに恐れ入る。映画には救いがあるが、現実にはどうか。

      • 70

『荒野の七人』……黒澤明七人の侍』のリメイク作品。彼らのチーム感にワクワクし、チャールズ・ブロンソンが村民の少年たちを叱咤し諭すシーンに感動した。

『ブロンコ・ビリー』……イーストウッド監督。何が何でもノスタルジックな非日常(しかもそれは、すでに廃れてしまった幻想のカウボーイである)を演じ切ろうとする主人公の描き方が秀逸。

北北西に進路を取れ』●……だだっ広い荒野での飛行機襲撃シーンは圧巻。けどちょっと尺は長すぎる嫌いがあった。

鉄道員』(1956年、伊)●……「ぽっぽや」と読んではならない。家族の崩壊と再生を、西洋文化あるいはキリスト教的な暗喩をそこかしこにまぶしながら静かに語り上げている傑作。小生が観た劇場で、一緒に観たお客さんのひとりが、劇場の支配人に「いやぁ素晴らしかった!」と告げていた光景が印象に残っている。

『エクスペンダブルス』……これで正式に、ステイサムがスタローンらの跡継ぎになりましたよ、と。全編もちろん小生のようなボンクラには楽しいのだが、いかんせんクライマックスのアクション・シーンの画面が暗すぎて何をやっているのかが判然としないのが非常に残念だった。

『ラスト・ソルジャー』……ジャッキー武侠アクション。スタンダードなバディ・ムービーとして楽しめる。ただクライマックスのある展開には賛否両論ありそう(僕はニューシネマ的な感じがして良いと思ったけれど)。

『マンハッタン』……ウッディ・アレン演じる主人公アイザックは正直いやな奴なのだけど、だからこそ最後の最後で少女トレイシーが彼に向って投げかけるひと言の台詞が胸を打つ。

テルマ&ルイーズ』……リドリー・スコットによる、フェミニズム運動それ自体への批評が高度に盛り込まれた映画だと感じられた。

天井桟敷の人々』●……部分部分の演出は素晴らしいのだけど、いくらなんでも長過ぎると思う。せめて2時間に納めて欲しかった。

クレイマー、クレイマー』●……脚本の良さもさることながら、円環構造を持つカメラワークと物語に、よりその作品の感動を高める効果があったと考える。

      • 80

『GAMER』……ステイサム主演『アドレナリン』の監督が撮った近未来SFアクション。『アドレナリン』のときも、監督の極度に幼稚な性的あるいは暴力的欲望の開陳に辟易したけれど、今回もしかりだった。作家性といってしまえばそれまでだけども、僕には受け付けられなかった。好きか嫌いかでいえば、大嫌い。

マチェーテ』……グラインド・ハウスだったのは冒頭だけだった。あとは普通に出来の悪い映画だろ、これじゃあ。

『ミックマック』……ジャン=ピエール・ジュネ監督独特のイメージがこれでもかと反乱していて眺めるだけでも楽しい。色彩設計が美しい。もちろん、キャラクターそれぞれの特技を活かした『特攻野郎Aチーム』的な展開も楽しい。

父親たちの星条旗』/『硫黄島からの手紙』……極度な感傷に浸るわけではなく、ただただ淡々とした冷静な視線で日米両者を描いてみせたイーストウッドの力量にわかっちゃいたけど感服。ドリームワークスも手を貸しただけあって、もちろん戦闘シーンの出来も上場で演出に寄り添いつつ、効果的に用いられていた。

ソーシャル・ネットワーク』……Facebook 創設秘話を基にしたフィクションと言って差し支えない。しかし、だからこそ主人公が真に欲したものは何だったのか、という問いを、他者の視点からのみで語ってみせる──という作品テーマと手法がより明確になっている。様々に充実した情報と巧みな演出でグイグイ観客を引き込んでくれる傑作。スタッフ・ロールにビートルズのあの曲を使用してくる、というところが心憎い。

ブラジルから来た少年』……F・J・シャフナーの演出が冴える。グレゴリー・ペックの怪演も見ごたえがあった。

アンストッパブル』……スコット弟のほうは相変わらずグラングランする(ドラッグ描写か!)カメラワークに面食らうけど、今回は意外と楽しめた。

スプライス』……主人公夫婦が作り出した人工生命体ドレン。彼女の造形が持つ絶妙なバランスが秀逸。

パッセンジャー57』……W・スナイプス。まあ可もなく不可もなく。

      • 90

『モールス』●……記事参照>>http://d.hatena.ne.jp/MasakiTSU/20110828/1314546242

『カンフーパンダ2』●……パンダが強くなりすぎの嫌いがあるが、『2』ものとしてはまずまずの出来。ギャグも楽しかった。

『アデル/ファラオと復活の秘薬』……リュック・ベッソン監督。グダグダし過ぎで退屈極まりない(コミックスが原作と聞いて納得)。それは差し置いてもヒロインはまわりに迷惑をかけ過ぎ! ちったぁ反省しろ!

ロビン・フッドリドリー・スコット版……前評判のとおり、正直微妙だった。なんというかアクション映画としての緩急に欠ける。

『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』……ストーリィもアクション構築も、粋。

『ウエストワールド』……反乱シーンは圧巻。ただパッケージのヴィジュアルを本編でも見たかった。

グリーン・ホーネット』……意外に面白かった。残像を効果的に使用したカトーのアクションが楽しい。

フォロー・ミー』●……巨匠キャロル・リードの遺作。ミア・ファローとトポルの掛け合いがとても可愛らしい。ジョン・バリーによる音楽も良くマッチしている。

『デート & ナイト』……なんだか妙なシニカルさがあって楽しかった。

『テレフォン』……ドン・シーゲル演出は、小生にとっては少々愚鈍な感じがしなくもないが、しかしアクションの画面レイアウトはめちゃくちゃ格好いい。

      • 100