2022 4月感想(短)まとめ

2022年4月に、ちょこまかとtwitterにて書いていた短い映画感想の備忘録(一部加筆修正)です。


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【ソフト】
◆父の再婚が決まった陽や、心臓の持病のために手術が決まった陸たちが日々を生きてゆく『かそけきサンカヨウ今泉力哉監督、2021)は、カメラワークが──とくに切り返しでのサイズが各々の登場人物でほぼ変化しないので──いささか単調なきらいがあるけれど、小さなエピソードを重ねて人物たちの関係性の変化を描いた非常に丁寧な青春映画だった。なかでも、登場人物たちの着る衣服の色彩選択は見応えがあった。シーンごとにキャラクターが背景からパッと浮き出すような色のものを着ているのか、それとも背景に沈み同一化するような色のものを着ているのかを細かく設定した衣装選択が、しっかりとドラマを支え、静かに盛り上げていて印象的。



◆映画オタクの父親が家族を守るために警察相手に完全犯罪を画する『共謀家族』(サム・クァー監督、2019)は、シンプルに滅茶苦茶おもしろくて脱帽するのだけれど、本作が──インド映画のリメイクでもありつつ──ゴリゴリの中国映画でありながら、反骨精神に満ち満ちた1作であったのに驚嘆した。いいぞ、もっとやれ。やりまくれ。


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【ドラマ】
◆東京ローカルのラジオ帯番組「オビナマワイド」が特集企画に潜む不審な作為に呑まれてゆく『何かおかしい』太田勇、及川博則、山口将幸演出、2022)は、ひねりと味わいのなんとも知れぬ気味悪さ(ゆえにサイコー)の効いた、さすがロジカルで不条理な奇想を得意とする仮面姿のホラー系YouTuber でホラー作家の雨穴が原案を担当しただけあるドラマ・シリーズだった(全6話)。

本作は、誰かしら全員がどこか倫理観のタガが外れているラジオ番組スタッフの猟奇性とそれに乗っかるゲストやリスナーの異常性、タネ元の伝奇性、そしてそこかしこにまぶされている今日(こんにち)性が絶妙にミックスされた実世界と地続きの不穏さが、観る者を──まるで、たとえば諸星大二郎や、あるいは実話系怪談の作品を読んでいるかのごとく──怪しく揺さぶり、怖気を誘うだろう(個人的には第4話が最凶に気色悪かった)。もちろん、1話正味20分のシリーズゆえに説明不足だったり消化不足なところもありはするけれど、同時に短尺ゆえのソリッドさも兼ね備えている。また毎話、前説と解説を『ヒッチコック劇場』もかくやに担当する雨穴の存在感も、アクセントとしてなんとも忘れがたい。 ※先行配信(Paravi)にて視聴。


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【漫 画】
『さよなら絵梨』藤本タツキ、2022)感想と雑考(ネタバレ)
>> https://masakitsu.hatenablog.com/entry/2022/04/13/180758


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