自らの身体を実験台に、DNA操作による人体の透明化に成功した科学者・セバスチャン。だが研究は未完成で、彼は元の姿に戻れなくなってしまう。一生自分の姿を鏡で見る事ができないという彼の絶望は、やがて研究仲間への憎悪に変わって行く……
ポール・ヴァーホーヴェン監督のSFアクション。SFXを駆使した身体が透明化する変身描写、アクション・シーン、透明人間願望の<お約束>まで含めて、透明人間ネタをここまで描けるのかという演出が素晴らしい。ハードSF的な味わいの前半から、徐々に大味なモンスター・アクションへとシフトしてゆく何とも皮肉めいた構成(後先考えない大爆発エンド)で、ケヴィン・ベーコンは少々強くなり過ぎた感は否めないものの、ヴァイオレンス・シーンのあの痛々しさは流石ヴァーホーヴェン。透明人間になったベーコンが樹脂マスクを被ったとき、『犬神家の一族』を思い出したのは小生だけではあるまい。
詳細『インビジブル』
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=161376#1