『THE 4TH KIND/フォース・カインド』

ミラ・ジョヴォヴィッチ主演。アラスカ州ノームに暮らす女性心理学者/アビゲイル・タイラーが体験したという衝撃のエピソードを、当時撮影されたという記録映像と再現映像で描き出す異色サスペンス──という体裁をとったモキュメンタリィ映画。タイトルからもわかるように『フォース・カインド』すなわち "Close encounter of the fourth kind(第4種接近遭遇)"を扱った映画で、そういえばかつてスピルバーグが『未知との遭遇(Close encounter of the third kind)』という映画を撮ったな、という。

キャッチ・コピィではないけれど、嘘か真か、はこの際 瑣末な問題なので置いておくのが吉。

とにかく非常につくりが丁寧。先発する事件に端を発し、徐々に徐々に拡散してゆく不気味な恐怖、それに奇妙に合致する古代歴史の遺物、そして最後には──という実にスタンダードな展開だが、そのスタンダードさ故にその丁寧な演出と〈実際の──らしい──記録映像〉とミラによる〈再現映像〉を同時進行で映してゆくことで生じる奇妙なリアリティが映える。「?」から「!」へと流れる驚きや納得、そして恐怖へと観客を導くタイミング/間も非常にここちよく(って書くと矛盾しているような感じがするけれど)、映像効果や音響効果の変動とともに見事にこちらを驚かせてくれる。全編にわたってとってもスリリングでスケアリング(ドキドキ)。

もう、怖がるにはもってこいの作品。TV番組『特命リサーチ200X』*1やマンガ『M.M.R.』といったものが好きな方は是非。

*1:映画全体の構成として、こういった番組に通じるものが多い。また、これは副産物だろうけれど、スクリーン上の日本語字幕はそのままテレビのテロップのようにも見え、そういう意味でも〈画面の向こうのリアリティ〉が強調されていた気がする。